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お正月のしめ縄の向きの話。

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年末に多い注連縄に関する「神棚の注連縄の向きは?どっち向きに飾るの?」という質問にお答えします。

注連縄というのは神域(常世)と現世(俗世)を隔てる結界の役割を担っています。御霊代、依り代として神様が宿る印として、神体を縄で囲いその中を神域としたり、厄を払ったりする意味があります。お正月には新しい年神様を迎える準備として自分の家が年神様を迎えるのにふさわしい神聖な場所であることを示すために注連縄を飾るのです。年神様とは毎年正月に各家にやってくる来方神であったり、また「年」は稲の実りのことであり、その年の豊作を祈り穀物・農耕神を迎えることであったり、その家を守ってくれる祖先の霊として考えられたりと、地域によって若干違いますが厄才を払い、実りの多い年にしてくれる神様という解釈でいいと思います。

ではその神様を迎えるため神棚に飾る注連縄の向きですが、じつはどちら向きに飾っても間違いではありません。しかしながら一般的な回答としては「神棚に向かって右が太いほうになります」とお答えして以下の説明をかいつまんでお話しするようにしています。これは注連縄の作り方では、綯いはじめが太いほうですのでこちら側が「元」になります。神道での左右の扱いは神様から見て左が上位になります。ですので神様から見て左、我々から向かって右に「元」がくるように飾ります。一般的にはこれでまず間違いはありません。

では逆ではダメなのか?というと、地域や職業によっては逆に飾られる場合が多々あります。向かって右を太く飾る形を「入り船」、逆を「出船」と呼びますが、私のような商人はお客さんにたくさん来てほしいと思うので入り船に。表に出て稼いでくるお勤めの方なら出船に、という具合にそれぞれの事情に沿って向きを考えるそうです。夜のお仕事では出船の飾り方が多いようですね。

また「入船」と「出船」という言葉のもとは玄関と神棚の関係という説もあり、玄関の方を太いほうが向いていれば入船、逆なら出船と考えるそうです。そのうえで前述のように意味合いを考えて向きを決めるということでしょう。

また神社の話になると、出雲大社は左右逆という話が有名で、大国主の怨霊を表に出さないために我々側から見た結界だから向きが逆、という説が一般的です(私はちょっと違う見解をもってますが)出雲大社だけではなく島根県では左右逆の飾り方が一般的と言いますし、他にも左右逆の飾り方をする神社はたくさんあります。いわゆる国津神系の神様の神社に多いということなのです。天津系の神様と国津系の神様、記紀にしるされた日本創世記の話になると諸説色々と長くなるのでそれは機会があればいずれまた。

最初のお答えに戻りますが、いろいろご事情があり、かつそれをご理解の上、出船で飾られるのであればそれは正しい飾り方です。要はご自分がどちらで飾る、ということを意識して飾られればそれで正解なのです。これは門松の内高、外高の話と同じです。

じつは注連縄の綯い方にも左綯えと右綯えの2通りがあります。ほとんどは左綯えですが、この左は太陽の巡行方向ということで「火」をイメージし、そこから男性を指します。右綯えは太陽の巡行方向の逆で、「水」をイメージし、女性を指しています。祀る神様に男女のイメージや概念が付加されている場合などは、この左綯えと右綯え、男女を使い分けるそうです。

またこの注連縄、そもそもなぜ縄?という根源的な話に触れると所説あるのですが、「蛇」という考え方が一般的でしょうか。人間の歴史上、かかわりの古い「蛇」ですが、脱皮をすることから「新しい命に生まれ変わる。不死の生き物」という見方を受け、人知を超えたものを「神」とした古代の考え方から蛇神信仰が生まれたようです。日本にはそもそもあったのか伝播したのかはわかりませんが、日本特有の地形としての川(くねくね長く)=蛇で水にかかわる神様としてとらえられている様が多々見られます。縄文土器の縄模様を見るとこのころには蛇神信仰が普通にあったことが見て取れますね。この蛇神信仰の影響である、という説もあり、また出雲大社の極太の注連縄から「雲」を連想し「たれ」は稲妻、という意見もあるそうです。どちらにしても人間の力の及ばない霊妙不可思議なものを神としてあがめたことは変わらないようですね。

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